結婚の手続きは、婚姻届の提出だけではなく、特に結婚によって姓が変わる方については、さまざまな手続きが必要になります。
そのため、結婚の手続きに必要な書類や届け出の順番を事前に把握しておくことで、スムーズに手続きが進められるでしょう。
そこで今回は、結婚の手続きについて分かりやすく解説します。

結婚の手続きに必要なもの、やり方は?
結婚に必要な手続きには、婚姻届の提出、転出入の手続き、マイナンバーカードの氏名変更届の提出、運転免許証記載事項変更届、銀行口座の氏名変更などがあります。
まずは、それぞれの手続きについて、手続きに必要なものや方法をご紹介します。

婚姻届の提出
結婚の手続きとして最も重要なのが、婚姻届の提出です。
婚姻届の書類は、市区町村の役所や出張所などの戸籍課で入手することができます。
婚姻届に必要事項を記入したら、証人として成年2名の署名が必要なため、証人を依頼したい方の都合を確認して忘れずに署名をいただいておきましょう。
また、結婚によって姓が変わる方は、婚姻届の提出前に新しい姓の印鑑を作成しておくと手続きがスムーズに進められます。
婚姻届の提出に必要なもの
- 婚姻届
- 戸籍謄本
- 印鑑
- 本人確認書類(免許証、パスポートなど)
本籍地の役所に婚姻届を提出する方の場合、戸籍謄本は不要です。本籍地以外の役所に婚姻届を提出する方は、戸籍謄本を準備しましょう。
戸籍謄本は、本籍地の役所でしか入手することができませんが、本籍地が遠方の場合は郵送での請求、取り寄せが可能です。
ただし、書類が届くまでに1~2週間程度の日数がかかりますので、余裕を持って手続きを行うようにしましょう。
本籍地にご両親が住んでいる場合は、本人に代わって戸籍謄本の取得をお願いすることができますが、その場合も郵送してもらう必要があるため、余裕を持ってお願いするようにしましょう。
婚姻届を提出する際、婚姻届の内容に訂正があった場合は訂正印が必要です。
結婚によって姓が変わる方は旧姓の印鑑を持参しましょう。
婚姻届の提出方法
婚姻届の提出方法は、以下の通りです。
転出入の手続き
結婚後に引っ越しをする場合は、転出入の手続きをしましょう。先に転出届の手続きを行ったあとに転入届の手続きを行います。
転出届の提出に必要なもの
- 転出届
- 印鑑
- 本人確認書類(免許証、パスポートなど)
転出届は窓口で入手することができます。引っ越し前に住んでいた地域の役所に提出する転出届は、引っ越しの前後2週間以内に提出が必要です。
転入届の提出に必要なもの
- 転出届
- 転出証明書
- 印鑑
- 本人確認書類(免許証、パスポートなど)
転入届は窓口で入手することができます。転入の手続きには、引っ越し前に住んでいた地域の役所から受領する「転出証明書」が必要です。転出証明書は、役所に「転出届」を提出した際に受け取ることができます。
転出入の手続きの流れ
結婚に伴う転出入手続きの流れは以下の通りです。
婚姻届と転入届の手続きを同日に行う場合は、最初に婚姻届の手続きを行い、そのあとで転入届の手続きを行いましょう。
窓口で婚姻届を提出した旨を伝えると、結婚後の姓で住民票を発行してもらうことができます。
ただし、役所によって対応が異なりますので、結婚後の新しい名前の住民票をすぐに入手したい場合は、発行までの日数を事前に確認しておくことをおすすめします。
住民票の取得
結婚に伴い運転免許証やパスポートの名義変更の手続きを行うためには住民票が必要です。
婚姻届と転入届の手続きを同日に行うと、新しい名前と住所が反映された住民票を入手することができますので、運転免許証やパスポートの名義変更の手続きも一緒にやってしまいたい場合は、住民票を取得しておきましょう。
住民票取得に必要なもの
- 本人確認書類
- 手数料
マイナンバーカードの氏名・住所変更
マイナンバーカードの氏名や住所を変更する手続きは、引っ越し後の役所で行います。
結婚により氏名や住所が変わった場合は14日以内に手続きが必要なため、早めに手続きを行いましょう。
マイナンバーカードの氏名・住所変更に必要なもの
- マイナンバーカード
- 登録した暗証番号
マイナンバーカードの氏名・住所を変更する場合は、役所で手続きが可能です。マイナンバーカードと登録した暗証番号が必要になりますので、暗証番号を確認しておきましょう。
マイナンバーカードの氏名・住所変更手続きの方法
マイナンバーカードをすでにお持ちの方は、役所窓口にマイナンバーカードを持参し、カード表面の追記欄に変更した内容を記載してもらいます。
マイナンバーカードを持っていない(通知カードのみ)という方は、新規で作成しましょう。
マイナンバーカードは、オンラインでも申請することができます。
(参考:個人番号カードオンライン申請手順)
運転免許証の名義変更
運転免許証の名義変更は、所在地を管轄する運転免許センターや運転免許試験場、警察署で手続きを行います。変更事項は、免許証が更新されるまでは備考欄に裏書されます。
運転免許証の名義変更に必要なもの
- 運転免許証記載事項変更届
- 運転免許証
- 住民票(個人番号なし)
運転免許証記載事項変更届は窓口で入手することができます。
銀行口座の名義変更手続き
結婚によって氏名や住所が変わった場合は、銀行口座の名義変更、住所変更、印鑑変更が必要です。
給与の振込口座の名義変更をする場合は、名義変更したことを会社に忘れずに連絡しておきましょう。
銀行口座の名義変更に必要なもの
- 通帳
- キャッシュカード
- 届出印(旧印鑑)
- 新しい印鑑
- 新住所が記載された運転免許証や住民票
結婚に伴う銀行口座の変更に必要なものは銀行によって異なる場合があります。事前に確認しておきましょう。
- 婚姻届の提出
- 転出入の手続き
- 住民票の取得
- マイナンバーカードの氏名・住所変更
- 運転免許証の名義変更
- 銀行口座の名義変更手続き
結婚手続きの順番は?効率よく進めるコツ
結婚手続きをできるだけ短時間で効率良く進めたいときは、以下の順番で手続きを行うのがおすすめです。
①②は引っ越し前に住んでいた地域の役所で行う手続き、③~⑥は結婚後に住む地域の役所で行う手続きです。
なるべく1日で済ませたい方は、婚姻届の提出から住民票取得までの結婚手続きを済ませておくと良いでしょう。
また、住民票が取得できれば、運転免許証の名義変更も当日行うことができます。
結婚手続きについてよくある疑問
ここからは、結婚手続きについてよくある疑問をご紹介します。

- 結婚すると戸籍はどうなるの?
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結婚前はご両親の戸籍に記載されていますが、婚姻届が受理されると両親の戸籍からは除籍され、夫婦の戸籍が新しく作られます。結婚後に夫の姓を使用する場合は夫が戸籍筆頭者となり、妻の姓を使用する場合は妻が戸籍筆頭者となります。戸籍筆頭者とは、世帯主のことではなく戸籍の最初に記載される方のことです。
- 入籍後しばらく別居する場合の手続きは?
-
婚姻届を提出しても現在住んでいる場所にそのまま住む場合、婚姻届の提出とマイナンバーや運転免許証、銀行口座などの氏名変更手続き以外、住所変更の手続きは必要ありません。住所変更手続きは、引っ越しの前後2週間以内に行いましょう。
- 事実婚を選択する場合の手続きは?
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事実婚を選択する場合、夫または妻の住所地に転入届を提出する際に、世帯主との続柄の欄に「妻(未届)」または「夫(未届)」と記載すると、住民票に反映させるため、事実婚と認められやすくなります。
事実婚の手続きを行っておくと、会社などの扶養家族として認められることもあるため、婚姻届を提出しない事実婚の場合も、住民票を同一にする手続きを行っておくことと良いでしょう。
結婚の手続きは、婚姻届の提出をはじめ、氏名や住所が変わることによってさまざまな手続きが必要となります。
しかし、必要な書類を事前にそろえ、今回ご紹介した順番に添って効率良く行えば、1日でスムーズに終わらせることも可能です。
これから結婚を予定されている方は、ぜひ参考になさってください。
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